(以下、High Sierra 以降の MacOS を使ってる人にしか意味がない情報です)
事の経緯
会社で新しく使う Mac mini が今月末には届くらしい。現在使っているものと比べて、スペックはかなり良くなるのだが、ディスク容量だけがスペックダウンするので、不要なファイルを削除することになった。幸い外付けHDDの容量はかなり余裕がある。整理開始前が HDD 500GB 中 300GB を使用していたが、新しいのは SSD 256GB なので 100GB 程度にしたい。
さしあたってどこを減らしたら良いのかあたりをつけるために DiskWave というアプリケーションを使って各フォルダのサイズを調べてみた。これが意外と時間がかかる。どうしてそんなにのろいのか。いろいろやっているうちに、それが原因だったかどうかわわからないが、タイムマシンのバックアップを一時的に止めたらなんとか計測が終わった。解析結果によるとどうやら Xcode の各バージョンを複数のユーザでインストールした影響でライブラリが膨れ上がっていたようだ。あと不要なバックアップが山程あった。
Xcode はもう古いバージョンを使わなくなったので、最新版も含めて一度全部消すことにした。消すべきファイルがあちこちに散らばっていたが約150GB、不要なドキュメント、音声、画像。終わったプロジェクトのバックアップや不要なアプリケーション等が約100GBあったので、250GB を消すなり逃がすなりして 300GB を 50GB に減らせるはずだ。
しかしながら、上記のファイルを消してゴミ箱を空にしても使用量は思った程は減らなくて、ドライブ情報を見ても使用量は 140GB くらい残っていた。試しに Xcode を含めて遥かに多くのアプリケーションと音楽ファイルを入れてる別の MacBook を見てみたらそれほど違いはなく 200GB しか使っていなかった。ディスクユーティリティで見てみても使用済みは140GBくらいある。効果は無いだろうと思いつつ First Aid をかけてみたけどやはり変わらず。
細かく見てみる
あらためて Macintosh HD を右クリックして「情報を見る」で情報を見てみると(画像1)、全体が 499.9 GB で使用領域が 137.67 GB になっているのに、空き領域が 443.74 GB になっている。辻褄があわないじゃないか。それではとメインメニューの「このMacについて」からストレージの情報を見てみると(画像2)使用部分は全体の 1/10 くらいあり、マウスオーバーで 51.17GB と表示される。これなら空き領域のサイズと辻褄があう。となるとドライブ情報の「使用領域 137.67 GB」が腑に落ちない。先程の DiskWave というツールを改めて走らせてみたところ(画像3)、使用量の合計は出ないが、主要なフォルダを足すと40数GBになる。と思ったら、左側の総括欄には「Used 142.65GB」と書かれている。これもまた訳がわからない。どういうことだろう?また、ディスクユーティリティを見てみると(画像4)使用領域はドライブ情報と同じだが、空き領域はちゃんと全容量からの差になっている。
[ 1. 空き領域と使用領域を足すと全領域より大きくなる ]
*
[ 2. 数値は表示されていないが、空き領域が1.とほぼ同じ ]
*
[ 3. 左側の使用容量の表示は1.に近いが、右側の実際の使用容量を足しても全然足りない ]
*
[ 4. 使用領域は1.の値と一致しているが空き領域は異なる ]
更にあらかめてよく見ていると、ドライブ情報とディスクユーティリティには「パージ可能」なサイズが「86.53GB」であると記載されている。これは先程の使用量の差(多い方が 137.67GB で、少ない方が 50弱GB)に近い。さらに、ディスクユーティリティには使用済み 137.66GB の他に「その他のボリューム」として 5.01GBが記載されている。
なんとなく見えてきた
どうやら「全体 - 使用領域 - その他のボリューム」= 499.9 - 443.74 - 5.01 = 51.15GB が(誤差はあるが)ストレージ情報で表示される使用部分なのだろう。そしてそれに「パージ可能な容量」を足した分 = 51.15 + 86.53 = 137.68GB が「使用領域」として表示されているようだ。
ではパージ可能な容量とはなんなのか?調べてみると、アップルのサイトには、
ストレージ容量が不足してきた時に Mac が自動的に解放できるストレージ容量です。パージ可能としてマークされたファイルは、必要時にいつでもダウンロードが可能なものです
と書いてある。ただ、これにはまったく覚えがない。アプリケーションはかなり削っているし iTunes でダウンロード可能な音楽や動画もほとんどないからだ。
「この Mac について」の「その他」と「パージ可能」とは? - Apple サポート
タイムマシンが原因だった
さらにいろいろ調べてみたところ、タイムマシンでバックアップする際に外付け HDD 等の保存先が見つからないとローカルに一時保存するようになっていて、それらのファイルが「パージ可能」な容量としてカウントされてしまうらしい。DiskWave を動かすときにタイムマシンバックアップが発生したら動作の邪魔になると思って外付け HDD を外したので一時保存ファイルが作成されたのだろう。バックアップ先がなければ止まるだろうと思ったのだけど「Time Machine 環境設定」で止めて置かなければ止まらないようだ。良かれと思ったことが逆効果になってしまった。間抜けな事件を起こした間抜けはたいてい良かれと思ってやってしまうものだ。
参考:Mac OSX High Sierra にすると謎のパージ可能領域が消せない件 | n10の個人的なメモ
タイムマシンのローカル一時保存ファイルはターミナルからコマンドを実行すると次のように表示される(一部伏字):
$ tmutil listlocalsnapshots / com.apple.TimeMachine.2018-xx-xx-171924 com.apple.TimeMachine.2018-xx-xx-185842 com.apple.TimeMachine.2018-xx-x-110005 com.apple.TimeMachine.2018-xx-xx-124256 com.apple.TimeMachine.2018-xx-xx-135203 com.apple.TimeMachine.2018-xx-xx-145123 com.apple.TimeMachine.2018-xx-xx-155231
ほぼ解決
パージ可能ということは放っておけば消されるか、外付けHDDに接続したときに移動されるのかもしれないが、残しておくのもなんか悔しいので消去したい。これらを消去するには、先程の 2018-xx-xx-xxxxxx の部分をそれぞれ引数にして
$ tmutil deletelocalsnapshots 2018-xx-xx-xxxxxx
を件数分だけ実行すれば良い。
これで、パージ可能な領域が開放された。まだなんか残ってるけどこれくらいにしておこう(画像5)。そもそもパージ可能な分というのは新しい環境に移行するときにはもっていかない部分だし。
[ 5. まだ 6.44GB 残ってる ]