昨日の泥

けれど夕陽はお前と仲間の髑髏を映す

m/s と ノット

日本の気象庁では「地上10mの風速が 17.2m/s 以上の熱帯低気圧」を台風と定義しているそうだ。この「17.2」 という中途半端な値が気になって、Wikipedia風速の項を見てみたら「17.2m/s・34ノット」と記載されていた。もとはノットが起源だったようだ。

そこで、ついでだから Wikipediaノットの項を見てみたら、1ノットとは「時速1海里」であるとのこと。一海里は 1852m なので 3600秒で割った 0.514444 m/s が1ノットとなる。ところが、17.2m/s をノットに換算すると 33.434 ノットとなり、どちらかというと 34 よりも 33 に近いのだ。これはどういうことだろう?

たしか海里という単位は国や時代によって変わってきたはずだと思い、また Wikipedia海里の項を調べたら、1852m以外の定義がうじゃうじゃ出てきた。そこで、逆に1海里が何メートルだったら 17.2m/s が 34ノットに近くなるかを計算してみると 17.2 * 3600 / 34 = 1821.176 m となった。さっきの海里の定義の中でこれに一番近い値を探してみたら「データマイル (data mile) = 6000フィート = 正確に 1828.8メートル」というのがあった。これなら1ノットは 0.508m/s となり、17.2m/s は 33.858ノットとなった。これなら 17.2m/s・34ノット でもおかしくないような気がする。

…と思ったのだが、思い起こせば先ほどは風速の項を見て「元々ノットで定義されていた値を m/s に換算したのでは?」という仮説から始まったのだから、これでは計算が逆で、34ノットが 17.2m/s にならなければ意味がないのだ。そこでデータマイルによる一海里を使って 34ノットを m/s に換算すると 34 * 0.508 = 17.272m/s となってしまった。どうやらデータマイルではないようだ。

真相はまだ闇の中である。